国内外でAIを活用した農業ソリューションe-kakashiの提供を行うグリーン株式会社(本社 東京都港区 代表取締役 CEO 戸上 崇、以下グリーン)は、愛媛県が推進する事業支援プログラム「トライアングルエヒメ2.0」採択プロジェクトとして、愛媛県のかんきつを対象に2025年7月から取り組んだ実証の成果を報告します。
本プロジェクトは、愛媛県内のかんきつ生産者や農業法人を対象に、e-kakashiを活用した地域密着型スマート農業モデルの構築を目指し、暗黙知の可視化とAI活用を通じて植物科学に基づいた栽培を行うことで、増収と品質の安定化、技術継承の促進、持続可能な農業経営の実現を支援することを目的として実施しました。
実証では、株式会社地域法人無茶々園と契約する生産者の計15ほ場にe-kakashiのゲートウェイを設置して環境データを収集し、生産者と潅水組合が連携してデータに基づいた潅水判断に活用できる体制づくりを進めました。体制づくりの一環として、データを活用した科学的な農業に必要な基礎知識を学ぶ機会を提供するとともに、愛媛県のかんきつ栽培に関する文献や過去の栽培記録などの地域独自の知見を踏まえて回答に反映できる仕組み(RAG*1)を用いて、愛媛のかんきつに特化した農業用LLMの開発と実装を進めました。
成果として、収量1.3倍を達成*2。産地の平均収量と比較しても約10%上回る増収を達成*2しました。

かんきつほ場に設置されたe-kakashiのゲートウェイ
開発した機能
トライアングルエヒメ2.0の枠組みで開発した機能は次のとおりです。
1)農業用LLMによるAIチャット機能
ユーザーが自然言語で入力した相談内容に対して、愛媛県のかんきつに関する研究成果や過去の栽培記録などの資料をRAGを活用して参照し、その内容を踏まえた助言を自然言語で返す機能です。相談内容に応じて、e-kakashiのアプリ設定を最適化する仕組みも備え、スマート農業に馴染みのない生産者様のデータ活用を支援します。
AIチャットの操作イメージ動画はこちら
2)土壌水分AI予測機能
土壌センサー等で収集した環境データと気象情報を組み合わせ、AIが分析し、土壌水分を5日先まで予測する機能です。科学的なデータに基づいた潅水の判断を支援します。
土壌水分AI予測の操作イメージ動画はこちら
今後は農業用LLMの対応作物を拡大してまいります。AIチャットと潅水判断に使いやすいAI機能として開発した土壌水分AI予測機能は、リニューアルするe-kakashi Naviに実装し、2026年3月から提供を開始します。e-kakashiを契約しているユーザーのうち希望者から順次切り替えます。
グリーンは今後も、農業が抱える課題に向き合い、スマート農業モデルを核とした革新的なソリューションによって、農業の未来と地域社会の価値創造に貢献してまいります。
* 1 Retrieval Augmented Generationの略。生成AIが回答する前に、研究成果や過去の栽培記録などの資料を検索して参照し、その内容を踏まえて回答する仕組み。AIの一般知識だけで答えるのではなく、参照元の情報に基づく回答に寄せられるため、現場の知見を反映しやすい点が特徴。
*2 かんきつは収量が多い年(通称「表年」)と少ない年(通称「裏年」)が交互に繰り返される。等しく比較できるよう、前作を2023年として検証。産地の平均収量との比較は、2025年同士で検証。
* 画面は開発中です