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2020.12.14

農業AIブレーン「e-kakashi」のCO2吸収量推定システムを 活用した実証実験を「YKKセンターパーク」で開始

~緑地におけるCO2の吸収量をリアルタイムに可視化して環境経営を支援~

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、農業AIブレーン「e-kakashi(イーカカシ)」のCO2吸収量推定システム※1(特許出願中、以下「本システム」)を活用して、緑地におけるCO2(二酸化炭素)の吸収量をリアルタイムに可視化する実証実験(以下「本実証実験」)を、YKK株式会社(以下「YKK」)と共同で開始しましたのでお知らせします。本実証実験は、YKKが富山県黒部市で整備を進める「YKKセンターパーク」で、2020年11月から2021年3月末(予定)まで実施します。

本システムは、気象データと「e-kakashi」の各種センサーから取得する地温(地中温度)などの環境データに独自のアルゴリズムを組み合わせて、芝生や森林などの緑地におけるCO2の吸収量をリアルタイムに可視化するものです。センサーから取得するさまざまな環境データと独自のアルゴリズムを活用することで、精度の高い数値の推定が可能です。また、当日から8日後までのCO2の吸収量を推定することができます。さらに、日々のCO2の吸収量や過去の累積データを、グラフやイラストで分かりやすく可視化します。本実証実験では、「YKKセンターパーク」に「e-kakashi」を計2セット※2設置して、本システムの精度や有用性を検証します。

地球温暖化が深刻化する中で、CO2の排出量削減に向けた動きが世界的に加速しています。こうした社会状況に伴い、さまざまな企業が環境経営を推進して、CO2の吸収につながる森林づくりや、事業所における緑化活動などに取り組んでいます。しかしながら、こうした緑地におけるCO2の吸収量は、樹種や森林面積などをもとに概算値を年単位で算出することが多く、精度の高い数値をリアルタイムに把握することが困難でした。

2015年から提供している「e-kakashi」は、IoTセンサーを活用し、田畑から自動で収集した環境データをAI(人工知能)で分析することで、最適な栽培方法を提案し、農業を支援しています。このたび「e-kakashi」のサービスの一環として、新たに企業の環境経営を支援することを目指し、同サービスの技術や環境データに関する知見を生かして、CO2の吸収量をより効果的に把握するシステムを開発しました。ソフトバンクは「SDGs(持続可能な開発目標)」の課題解決を重要な経営課題と捉えており、「テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献~カーボンニュートラルと循環型社会の実現~」をテーマの一つに掲げ、さまざまな取り組みを行っています。本システムを通して、地球環境へのさらなる貢献を図っていきます。

今回、共同で実証実験を行うYKKグループは、「YKKグループ環境ビジョン2050」や「YKKサステナビリティビジョン2050」を策定し、2050年までに「気候中立(climate neutral、実質排出ゼロ)」を達成するために、CO2などの温室効果ガスの排出量削減を目標の一つとして掲げています。「YKKセンターパーク」には、YKK創業者 吉田 忠雄氏が理想とした森の中の工場の実現に向けて2008年から整備を進める「ふるさとの森」があり、黒部市に原生している樹木の種子を採取して育てた苗木20種類計2万本が植樹されています。

本実証実験で可視化したデータは、YKKが森づくりの成果測定や訴求などに活用していきます。またYKKは、国内外の各拠点の緑地においても「e-kakashi」などのテクノロジーを活用した取り組みの検討を進めるなど、環境経営を一層強化していく予定です。

さらに、ソフトバンクとYKKは、小中学生向けに、緑地におけるCO2吸収の仕組みの理解促進や環境保全の意識醸成に役立つワークショップなどの開催を検討して、地球温暖化防止へのさらなる貢献を目指します。

今後ソフトバンクは、緑地の創出・保全などに取り組む企業の他、環境に配慮したスマートシティやスマートビルなどに取り組む企業・自治体での活用を視野に、本システムのサービス提供を検討していきます。

[注]
※1 気象・環境データと独自のアルゴリズムを活用してCO2の吸収量を推定します。実際のCO2の吸収量を計測するものではありません。
※2 各種センサーを取り付けた環境データ取得用の子機と、子機から取得したデータをクラウドに送信する親機を1セットとしています。

「e-kakashi」のCO2吸収量推定システムのモニター画面のイメージ

「YKKセンターパーク」/実証実験のために設置した「e-kakashi」

<ご参考>
今回の実証実験に関するYKKのプレスリリースは、こちら

https://www.ykk.co.jp/japanese/corporate/g_news/2020/20201214.html

・ SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
・ その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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