CASE STUDY導入事例

 

はじめに

鹿児島県南種子町で多品目栽培に取り組む農業法人シーズファームは、2022年にe-kakashiを初めて導入しました。栽培作目はフルーツパプリカをはじめ、水稲50a、パッションフルーツ12a、枝豆10a、じゃがいも50aと多岐にわたります。現在ではフルーツパプリカの圃場にe-kakashi 2台を稼働させています。
また、データを活用した栽培の知見は、地域との協働を通じて自治体に還元されるまでに成長し、南種子町農業情報プラットフォーム事業に繋がりました。この事業ではシーズファームの取り組みを活かしながら町全体でのデータ活用が進められており、シーズファームにも当事業で導入したe-kakashi 1台を協力するかたちで設置されています。
なお、フルーツパプリカの栽培では、高温や害虫被害が深刻だった2025年度においても反収で前年比125%を達成見込みです。これはデータ活用により環境変化を克服し、安定的な収量確保に結びついた成果といえます。設備面ではe-kakashiに加え、妻面換気装置(ハウス両端に設置された自動換気システム)や循環扇などを導入し、圃場環境を安定的に整える体制を構築しています。

 

高温・害虫被害を乗り越え、データ活用で増収を達成

シーズファームのフルーツパプリカは、2024年度に作付面積9.6aで約3.5トンを収穫しました。翌2025年度には作付面積を17.6aに拡大しながら約8トンの収量を見込んでおり、反収で前年比125%の増収となる計算です。今年は例年以上の高温や害虫の被害が深刻ではありますが、少しでも増収できるようデータ活用中です。その取り組みを支えているのがe-kakashiです。アラート機能を活用しながら急激な温度変化への対応を行い、前年に記録した土壌水分データをもとに潅水量を改善するなど、取ったデータを「現在の栽培判断」に活かしてすぐに行動したことが成果につながりました。さらに、CO₂センサーによって、光合成に必要なCO₂濃度が保てているか定量的に把握し、その情報を日々の管理に反映させることで、栽培の精度を一層高めることができたのです。

収穫したフルーツパプリカ

丸かじりしても美味しいフルーツパプリカ

 

3年目でも伸びしろをつくるデータ活用の力

e-kakashiを活用した栽培は3年目です。2022年に設置された2台はいまも現役で稼働しており、日々の栽培判断を支えています。導入から年月を重ねても増収し続け、なおかつ新たな伸びしろを生み出せるのは、データを活用する強みといえます。

フルーツパプリカ3

病気や害虫にまけない栽培の判断をデータが支援

 

地域とともに歩む取り組み

単に自社の生産性向上にとどまらず、地域全体の農業発展にも貢献しています。培ってきた知見は農業情報プラットフォーム事業を通じて南種子町に還元され、町全体の栽培技術の底上げに貢献しています。この夏は近隣の小学校にパプリカ収穫体験の機会を提供しました。子どもたちは今後、自校の温室でパプリカ栽培に取り組む予定であり、その前に実際の農作業を体験することで、興味や関心を一層高めることができました。こうした教育活動は、未来の担い手を育てる土壌づくりとして大きな意義を持っています。

 

今後の展望

シーズファームは、2026年度にはフルーツパプリカの作付面積を29.6aへと拡大する計画を進めています。さらにデータに基づく再現性の高い栽培モデルを確立し、新規就農者への支援や地域全体の技術普及へとつなげていく方針です。高温や害虫など予測しづらい環境変化に対応しながらも、安定的に収量を伸ばすその取り組みは、南種子町の農業の未来を照らす挑戦といえるでしょう。

e-kakashiはデータを活用した科学的な農業を通じて、生産性・品質の向上や、次世代育成に貢献します。
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収穫適期に収穫されるフルーツパプリカ

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収穫されたパプリカは丁寧に梱包

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