CASE STUDY導入事例

日本有数のブドウ産地となっている長野県。県中央部の少し北、松本から安曇野にかけて広がる「日本アルプスワインバレー」と呼ばれるブドウ栽培が盛んなエリアの一角に、サッポロ安曇野池田ヴィンヤードがあります。 ヴィンヤードとはブドウ園のこと。ここでは、サッポロビールのプレミアム日本ワイン「グランポレール」の原料となるブドウの栽培が行われているんです。「グランポレール」は国内外のコンクールで数々の賞に輝くなど、品質について高い評価を得ているみたいですよ。

訪問したのは10月末、ちょうど収穫作業が終わった直後でした
東京ドーム2.7個分という広大なブドウ園の中を歩いていると、なにやら見慣れない物体が…。 実はこれ、ソフトバンクの事業提案制度「ソフトバンクイノベンチャー」から生まれた「e-kakashi(イーカカシ)」という栽培ナビゲーションサービスのセンサーなんです。e-kakashiは農場などで取得したデータを見える化したり、最適な生育環境をナビゲートするのですが、ブドウの栽培でも役に立っているのでしょうか? ブドウ園の管理者にお話を伺ってきました!

今回お話を伺ったのはこちらのお二人


(左)サッポロビール株式会社 製造部 グランポレール勝沼ワイナリー
   サッポロ安曇野池田ヴィンヤード株式会社駐在 栽培担当
   石原 大輔さん

(右)サッポロ安曇野池田ヴィンヤード株式会社
   取締役 事業部 栽培責任者
   田中 亘さん

最高のワイン作りは、最高のブドウ作りから

ー 最初に、安曇野池田ヴィンヤードの特徴を教えてください。

田中 世界の銘醸地と共通した環境(土壌と地勢)にあります。土壌は石や砂が多く痩せており、また斜面にあるので水はけと風通しが良いという特徴があります。つまりブドウ栽培に非常に適している土地だと言えると思います。

石原 ここもそうですが、日本では主にメルローやカベルネ・ソービニョンなど、ヨーロッパ系のブドウが多く栽培されています。ルーツが少雨で病気が少ない土地にあるので、降水量が多い日本では病害に弱い。だから水はけの良さと風通しがとても重要なんです。

ー 最初に、安曇野池田ヴィンヤードの特徴を教えてください。

田中 世界の銘醸地と共通した環境(土壌と地勢)にあります。土壌は石や砂が多く痩せており、また斜面にあるので水はけと風通しが良いという特徴があります。つまりブドウ栽培に非常に適している土地だと言えると思います。

石原 ここもそうですが、日本では主にメルローやカベルネ・ソービニョンなど、ヨーロッパ系のブドウが多く栽培されています。ルーツが少雨で病気が少ない土地にあるので、降水量が多い日本では病害に弱い。だから水はけの良さと風通しがとても重要なんです。

 

 

ー ちょうど収穫を終えられたそうですが、ブドウの出来はどうでしたか?

田中 大抵、成熟期に降水量の少ない年は、良質なブドウになります。今年は9月の降水量が通常の半分ほどだったので収穫量は例年に比べて少なかったのですが、そのぶん質は良かったですよ。

石原 一般的にワインの出来の8割はブドウで決まると言われているんです。だから今年収穫したブドウから作ったワインも期待できると思います。

ー 今年のブドウを使ったワインはいつ頃から販売されるんですか?

石原 白ワインは2019年、赤ワインは2020年の見込みです。ここで収穫したブドウは主に山梨県の勝沼にあるワイナリーに送り出しているのですが、来年以降、製品になってから再会するのが楽しみです。


ー グランポレールは“プレミアム”ワインだと思いますが、ブドウ作りで意識していることは?

田中 品質に対する自負はありますが、プレッシャーにならないように意識しています。そもそもブドウは1年や2年で良いものはできません。土壌を整えたり、剪定(枝を切ること)を繰り返すことで少しずつ良いブドウになっていきます。大切にしているのは、地道に改善を積み重ねることですね。

ITは“手作りの質”を高めてくれるもの

ー 品質に対するこだわりが伝わってきますが、e-kakashiを導入された理由は?

田中 あまり知られていませんが、ワイン業界でもITの活用は大きな流れとなりつつあります。われわれも正確な気象データなどを取得するためにITを利用できないか、と思っていた時にe-kakashiの存在を知ったんです。

石原 e-kakashiを実際に利用してみて分かったのは、気象台が発表しているデータと畑ではかなり違いがあること。今は全部で5カ所にセンサーを設置していますが、個々の畑でも数値が違いますね。今年は芽吹き後の6月に導入したため、利用用途は現在のブドウ園の見える化がメインとなりましたが、来年以降に生かせそうな面白いデータが取れました。

  e-kakashiアプリケーションではセンサーで取得したブドウ畑の環境データを確認できます

ー ちなみに、どのようなデータなのでしょう?

石原 e-kakashiで取れるデータなのでお伝えしたいですが、ここは企業秘密ということで…(笑)。

田中 繰り返しになってしまいますが、ブドウ作りは積み重ねなのでデータを蓄積して、それを栽培に生かすというサイクルが必要だと思っています。われわれが持っている経験値とデータをうまく融合させ、的確なナビゲーションができるところまで持っていきたいですね。

  センサーのデータは無線で親機へ、さらに親機からクラウドに送られます

ー 日本でもワイン好きが増えていると思いますが、ワインを飲まれる方に一言お願いします。

石原 農業とITってあまり結びつかないですよね。特にワインは「伝統」「職人」といった「手作り」のイメージが重視される傾向があると感じています。でも、e-kakashiのようなITはこれらと相容れないわけではなく、逆にうまく補完してくれるもの。これから先、良いワインを作るために必要なものだと思っています。

田中 ワインの原料であるブトウは気象の影響を受けやすい農作物。最近は気象が不安定なので、ITの力を使って最適な生育環境を整えることは大切だと思います。全ては良いワインを作るための取り組み、ということを知っていただけたらうれしいですね。

 


今回お邪魔させていただいたサッポロ安曇野池田ヴィンヤード。良いブドウを作るための方法を追及し続ける姿勢が本当に印象的でした。来年以降、2017年のブドウを使ったワインが登場するのが楽しみですね。「今すぐ飲みたい!」というワイン好きな方はグランポレールのウェブサイトでチェックしてみてください♪

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