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ウクライナにおけるデータ駆動型農業の実証成果

作成者: Mika|Jan 29, 2026 2:00:00 AM

~新たな地域と作物を対象に、科学的なアプローチとAIを活用し半年で増収を達成~

グリーン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 CEO 戸上 崇、AIを活用した農業ソリューションを提供、以下「グリーン」)は、ウクライナにおけるヒマワリ種子をはじめとする主要作物の生産性回復と、土壌汚染緩和による持続可能な農業の実現を目的としたフィージビリティ・スタディを、2025年3月3日より実施しています。本調査は、日本の経済産業省による資金拠出のもと、国連工業開発機関(UNIDO)の支援を受け、「日本企業からの技術移転を通じた新事業創造によるウクライナのグリーン産業復興プロジェクト」の一環として進めてきました。
本フィージビリティ・スタディでは、環境データと衛星画像データを組み合わせたデータ駆動型農業の実証に加え、土壌の健全性に関する取り組みなども進めています。本リリースでは、その中から収穫量の向上に関する検証結果を報告します。

 

本実証では、4つのほ場に合計16台のe-kakashi用ゲートウェイを設置して環境データを収集し、衛星画像データと組み合わせて、広範囲の状況把握と予測を行うAIを開発しました。収穫量の最大化に向けて最適な農作業タイミングを提示するこのAIを用いて検証した結果、ヒマワリで最大9.4%、トウモロコシで平均13.8%の増収を確認しました。

 

ヒマワリ:AIによる枯凋剤散布タイミング最適化で収穫量向上
ほ場で収集した環境データに加え、ウクライナ国内約400ほ場の過去の衛星データなどを解析して情報を補完し、枯凋剤(デシカント)散布の最適時期を予測するAIアルゴリズムを開発しました。AIが提示したタイミングで散布と収穫を行った区画(誘導区)と、農家の従来の判断で散布と収穫を行った区画(慣行区)を比較した結果、リヴィウ州の2ほ場で、最大約9.4%の収穫量向上を確認しました。

トウモロコシ:AIによる収穫判断で収穫量向上
AIが提示する最適な収穫タイミングに基づいて収穫した区画(誘導区)と、従来の慣行的な判断で収穫した区画(慣行区)を比較した結果、誘導区の平均収穫量が15.17t/ha、慣行区は13.33t/haとなり、差分は+1.84t/haでした。約13.8%の収穫量向上を達成しました。

トウモロコシ畑に設置されたe-kakashiと、イヴァン・フランコ記念リヴィウ国立大学のPatsula准教授

 

持続可能な農業と復興に向けて
本フィージビリティ・スタディは単年度の結果ではあるものの、IoTやAIを活用したデータ駆動型農業が、ウクライナ農業の生産性向上に貢献できる可能性を示しました。
今後は、本結果を踏まえ、複数年、複数地域での環境データの蓄積を進め、AIモデルの精度をさらに高度化し、他の作物への展開を目指します。

グリーンは、先進的なデジタル技術を通じて、農業の高度化と戦後復興を支える持続可能な産業基盤づくりに引き続き取り組んでまいります。

 

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