導入事例

次世代を育てる農業〜平山小学校の挑戦〜

作成者: Mika|2025 11 05

 

はじめに

鹿児島県南種子町では町を中心に、行政・生産者・教育機関が連携しながら、地域ぐるみでスマート農業の推進に取り組んでいます。事例はコチラ
同町ではe-kakashiを活用した栽培データの見える化が進み、気候や環境の変化に対応した生産体制が整いつつあります。その流れは教育現場にも広がり、次世代の学びの場としての新しい動きが生まれました。
その象徴的な取り組みが、南種子町立平山小学校で進められている「平山フルーツパプリカプロジェクト」です。子どもたちは、データを活用することで課題を解決する力を伸ばしており、地域の未来を支える存在として成長しています。

 

直面した課題、そして「自分たちで考える」学びへ

今年7月の出前授業で、データモニタリングの仕組みや、ICTによって変わりつつある農業の姿を学び、学校の温室での栽培が始まりました。
しかし、夏休みの間に一部の株が枯れてしまう、思うように収穫量が上がらない、などの課題にぶつかりました。子どもたちは「どうすればもっと上手に育てられるのか」と話し合うようになり、課題を解決するために、11月に予定していた第2回出前授業を待たず、自らの提案でオンラインによる臨時の授業を実施することになりました。

 

 

これまでは「土が湿っていなかったら水をあげる」「雨の日は水をあげない」といった感覚的な方法で水やりをしていたり、夏季は室温の管理が不足していたようです。授業ではe-kakashiのデータを確認し、水をあげすぎていたことや、温室内の気温が32度を超える時間帯が多かったことなど、データを通して科学的に対策を立てられることに気づきました。また、環境と生育は密接に関係していることを学び、データを活用することの意味を実感するきっかけとなりました。

 

 

教わるだけの学びから、自分たちで問いを立て、考える学びへ。
子どもたちの中に、「データを使って解決案を考える」という新しい姿勢が芽生え始めています。

 

平山のフルーツパプリカを町中に広めたい

子どもたちの目標は、平山のフルーツパプリカを南種子町中に広めて、美味しさを伝えること です。栽培を通して学んだことをもとに、どうすれば地域の人に関心を持ってもらえるかを話し合い、ポスターや発表会での発信を計画しています。
データを活用した学びが、地域とのつながりや、次の世代へと続く挑戦へとつながっています。

 

きれいに色づいたパプリカ。長期保存するためにはどうしたらよいか?という質問も飛び交った

 

テクノロジーがつなぐ未来への学び

子どもたちはデータを見る大切さを学び、環境と生育の関係を理解しながら栽培を進めています。その経験は、「自分で考え、行動する力」を育てる学びへと発展しました。
南種子町や地域の生産者の協力のもと、学校と地域が連携し、新しい農業教育の形が広がっています。スマート農業は、地域の未来を担う子どもたちにも広がり、次世代を育てる学びの場となっています。

e-kakashiは、データと学びをつなぐ取り組みを通じて、南種子町の挑戦とともに、持続可能な農業の未来を支えてまいります。

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