VISIONビジョン

「e-kakashi」は農業を科学にするサービスです。
ほ場で取得した大量の栽培・環境データを見える化するだけではなく、今どんなリスクがあり、
どう対処すべきか最適な生育環境へナビゲートします。
「e-kakashi」に対する想いや、開発にまつわる話をご紹介します。

開発者の声・山口 典男

農業を科学にする。
e-kakashiはそのための
ツールだ。

山口 典男 山口 典男

人間だけに都合が良いだけでは十分ではなく、地球にやさしい農業であることが求められる


 多くの場合生きている内は人間が植物を食べる側であり、人間と植物の関係は今だ十分に折り合っているとは言えません。農業は環境負荷の高い産業であり、人間だけに都合が良いだけでは十分ではなく、地球にやさしい農業であることが求められます。そして、遺伝子操作や遺伝子編集を行って様々な特性を植え付けることはできても、この複雑系*の世界でその影響を十分に把握することはできていないようです。
 その中で植物を育てそれを食用にする急先鋒である農業では、科学的な視点で十分に解析されていない事象を、人間という自然の一部が持つ感覚と、幾ばくかの経験に基づいてなんとかしてきました。人間の人生において地球環境の変化はあまりに大きすぎる波であり、氷河期に進んでいる時でも高温障害が起きてしまう程の暑い夏があり、一年に一回育つ植物を人間は精々70回育てる程度の時間しかありません。
 植物科学、農学の世界では様々な品種改良、育種が行われ、原種とはかけ離れて食べやすくおいしい作物を私たちは食べています。自然の成り行きではありえなかったであろう、人間の為にチューンアップされた作物です。それらを食べている時点では我々の食生活は既に植物科学、農学の偉大な成果に浴していると言えます。植物だけでなく微生物との関連性も日々明らかになってきています。

*科学の分類系統のひとつとされ、主に複数の要因が互いに影響しあい、複雑にふるまう系統を指す。

植物科学側と電子工学、情報工学側と適切な橋渡しが出来ればよい

 一方、電子工学、情報工学分野も著しい進歩を遂げています。品種改良された作物を、その作目が持つポテンシャルを十分に引き出してマーケットのニーズに合うように育てるためには、作物の生育過程を丁寧に見守る必要があり、そこに電子的光学的なセンサーや、それらから得られる情報を処理する様々な情報処理手法が有効であることがわかっています。昨今話題になるIoT、AIもその中の一つです。
 私たちは、植物科学側と電子工学、情報工学側と適切な橋渡しが出来ればよいと思い、e-kakashiを立ち上げました。
センサーでデータをとるだけでなく、それをどのように利用すれば、農業の現場にどう役立つのか、この一連の情報の関連性に着目し、サービスとして農業に役立つ情報サービスを行う事が我々の目的です。
 品種改良した優秀な作物を、丁寧に精密に育て、日本の技術、日本の製品として世界の食卓に届けられるよう、私たちは本分野のリーディングカンパニーとして、e-kakashiを発展させ続けます。

PROFILE

山口 典男 PSソリューションズ株式会社 フェロー、博士(システム情報科学)
(株)KDD研究所(当時)にて人工知能の応用研究に従事後、(株)日本HPにて新サービス構築コンサルティングに従事。ソフトバンクモバイル(株)(現ソフトバンク(株))にてMVNO事業技術責任者としてディズニーモバイルを立ち上げた後、社内ベンチャー制度を利用してPSソリューションズ(株)から農業IoT事業「e-kakashi」 (いいかかし)をスタートさせる。

開発者の声・戸上 崇

技術の視点ではなく、
植物の視点で「何が必要か」を
考える

戸上さん2 togami4

植物目線にこだわって開発したからこそ農業の現場で受け入れられている

e-kakashiの開発でもっともこだわったのは「植物目線」なんです。そもそもe-kakashiはセンサー技術、通信技術などのかたまりです。いままでそういった技術がなぜ農業の現場で使われてこなかったかというと、それは「植物目線」がなかったからだと思います。ここで言う「植物目線」というのは、一般的に、植物の栽培では水が大事です。

そこで、なぜ水が大事なのか、水の量なのか、質なのか。量だとしたらどれくらいの量なのか。そこまで考えぬくということです。植物になぜ水が必要か、光合成のためでもありますし、根から養分を吸いあげて運ぶためにも必要です。

また身体の温度を保つためにも必要です。そこで、植物には水が大事といったとき、何のために水が大事かを考えるんです。その視点を欠かさないことがe-kakashiのポイントだと言えます。もう一つ、農業である以上、植物目線と人間の視点が入ってきます。作物を大きくしたい、甘くしたい、早く収穫したいなど様々な要望がかかわってきます。こういった栽培手法について、いままで農家さんは経験とカンでやってきています。しかし、学問の世界では植物生理学、植物病理学などというジャンルがあって、一定の知見は既にあったんです。

科学的根拠と経験と勘を融合させて環境データを用いて比較して、よりエンドユーザーに使いやすい形で提供していく。そこでe-kakashiが役立つと良いと思っています。

栽培データ以外のデータもどん欲に吸収し、いまのe-kakashiでは想像もできないものに育って欲しい

いま、一部の農家さんからは「e-kakashiはやりすぎじゃないか」と言われることがあります。すごいとは思うけれど、そこまでのデータが必要なのか?というんです。でも個人的にはまだまだ足りないと思っているんです。

例えば、温度でも、作物の栽培上、積算温度というものはとても大事な指標です。でも、温度と言っても気温もあれば土壌の温度もあります。水田なら水温もある。気温でも地面に近いところか地上50cmの温度か、土壌の温度も地表の温度か地下15cmの温度かなど、意味が違う。それをすべてデータ化していく。

そしてそのデータをわかりやすく分析して、見える化していく。大事なことは「いまこんなことができるから、やりましょう」ではなくて「こうしなければならないから、それができるようにしましょう」なんです。

これから取り組んでいきたいのは、いま取れているデータの精緻化はもちろん、そこで行われた人間の作業記録であり、収穫後の作物の出来栄えのデータなども栽培データと同様に取り込んで分析していくことです。栽培データと作物のデータ、人間の作業記録は別々のものになっていて、いままで統合されていなかったんです。さらに、土壌のデータを集めて分析、反映させていきたい。土壌といってもそこに含まれる微生物※まで含めてデータ化しないと意味が無い。これは大変なことですが、農業の将来を考えたら欠かせないことだと思います。その結果、5年後、10年後には、いまの私が想像もしていないようなe-kakashiになっていると思います。

PROFILE

戸上 崇 PSソリューションズ株式会社 CPS事業本部 農業科学Lab. 所長、博士(学術)
オーストラリア ニューサウスウェルズ州 公立チャールズスチュアート大学卒(学士(応用科学))その後、国立三重大学 大学院の修士課程に進学し、農業ICT分野の研究に携わる。2012年 同大学院博士課程にて、農業現場におけるセンサーネットワークおよび情報の利活用に関わる研究で博士号(学術)を取得。2012年12月日本学術会議CIGR分科会でHonorable mentionを受賞。2013年1月にソフトバンクモバイル(株)(現ソフトバンク(株))に入社以降、本プロジェクトの技術開発をリード。

お気軽にお問い合わせくださいe-kakashiを購入したい方、販売したい方、
資料請求について承っております。


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